2019.12.27
【農業女子メンバーのSDGs 第4回 SDGsを身近なものに。「農村の魅力を発信し、地域の農業を維持する」】
by農業女子プロジェクト事務局
国連で掲げられたSDGs(エスディージーズ)。
SDGsは、Sustainable Development Goals のことで、日本語では、「持続可能な開発目標」と訳されています。
農業女子PJは、本コンテンツにて農業女子PJメンバーが取り組むSDGsを発信しています。
農業女子PJメンバーやステークホルダーの皆様に農業女子の取組やSDGsページをご覧いただくことで、
SDGsを少しでも身近に感じ、我がこととして考えるきっかけになればと思います。
今回は、岡山県の㈱HAPPY FARM plus Rの中村妃佐子さんが取り組むSDGsを紹介します!
中村さんの活動は、農業女子PJが掲げた『農業者のわたしたちにできる5つのこと』の「その4 農村の魅力を発信し、地域の農業を維持する」に繋がっています。
Q1,中村さんのSDGsテーマを教えてください。
『誰もが輝ける、中山間地域の農業』です。
SDGs17ゴールのうち、11番「住み続けられるまちづくりを」がメインゴールです。サブゴールは、8番「働きがいも 経済成長も」と、12番「つくる責任 使う責任」です。
*農業女子PJのすべての活動は、SDGsゴール5番「ジェンダー平等を実現しよう」に繋がっています。
Q2,テーマの目的・課題を教えてください。
中山間地域で高齢化が進み、農業従事者・担い手が減少する中、耕作放棄地が増え続けていくのを止めるために少しでも農地として利用し、地域の方が住みよい環境をできれば、と考えています。
農業のマイナスイメージをプラスに変え、若い世代がもっと農業に魅力を感じてもらえるよう、出前授業や農業体験、店頭でのPOPでのPR活動などを積極的に行っていきます。
やりがいや働きがいを多く感じられる「農業」が、真庭市の魅力的な産業となり、職業の選択肢の一つになることを期待しており、そうなることでSDGsのほかのゴールにも繋がっていくと思っています。
Q3,Q1のテーマについて実際にどのようなことを行いましたか?また、どのような人と連携しましたか?
メインゴールの「11:住み続けられるまちづくりを」は、荒れ地になり獣害がひどく住民が困っている耕作放棄地の借り入れなどを、自治会長、行政と一緒に調整を行いました。貸していただいた土地はすぐに草刈りや耕起、保全をし、農作物の栽培に取り掛かりました。
従業員については、ママ友ネットワークを使い、農業の魅力や、当社が目指している理念やビジョン等をお話させていただくことで雇用につながり、現在平均年齢30代前半で、笑顔が絶えない明るく楽しい職場になっています。
また、雨の日や作業量が少ない日には、農薬や肥料の使い方、栽培技術を勉強したり、効率化やモチベーションアップの方法などをテーマに社内ミーティングを行っており、「12:つくる責任 つかう責任」の意識を高く持っています。
真庭市は、SDGs未来都市に選定されており、「SDGsパートナー」という制度があります。そちらでの取り組みも積極的に行い、真庭市内のパートナーと繋がることでより幅広い活動ができると思っています。
社内ミーティング
笑い声が絶えない明るい職場
Q4,目的の達成に向けて、苦労したことを教えてください。
土地については、すでに荒廃したところもあり、基盤整備や雑草処理などに今も苦労しています。
手を付けるまでわからない状態なので、予期せぬことが多々起こり、資金もかかり経営を圧迫している部分もあります。
耕作放棄地減少につながる行政の補助がないのも困っています。
耕作放棄地の様子
Q5,達成度合いはいかがでしょうか?新たな課題を見つけられていたら教えてください。
地域の方に喜んでいただいたことで順調に進んではいますが、当社にできる範囲で今後も耕作放棄地の利用を増やしていきたいと思います。
新たな目標は、「8:働きがいも、経済成長も」で、経営基盤を早期に安定させ、少しでも労働環境を良くして、従業員が毎日笑顔で働ける会社を作っていきたいです。
Q6,持続可能な社会の実現のために、もっと挑戦してみたいことがあれば教えてください。
一次生産者だからできる食の大切さ、農業に興味を持ってもらえることなどを、子どもたちや若い世代に発信していきたいと思います。私たちの住む地域では、高齢化により家庭菜園でさえ荒れ地になっているところも最近は多くみられます。その場所で家族が「HAPPY」になれる家庭菜園を楽しむ方法などもプロデュースできればと思っています。
野菜を育てたり、収穫したり、食べたりすることから、「農業」を身近に感じてもらえるためには何をしたらよいか、を常に考え続けていきたいです。
真庭高校久世校地での出前授業
子どもたちにも「農業」を身近に!
Q7,最後に一言お願いします!
今まで農業をしてきて、当たり前にしてきたことがSDGsにつながっていることに気づいたとき、地球規模で目指しているゴールに私たちも関わっているんだ!という満足感を得られました。子どもや家族、地域の方も一緒に畑に出て、楽しみながら農業をすることで、「11:住み続けられるまちづくりを」に繋がると信じています。
農業女子PJの地域版「おかやま農業女子」も盛り立てていこうと思っています。
https://www.facebook.com/OWF20140716/
㈱HAPPY FARM plus Rの女性スタッフは全員「おかあさん」です。わが子を育てるのと同じように、大切に大切に野菜を育てています!
小さなことでも「私たちにできるSDGs」を実行し、楽しみながら2030年のゴールを目指しましょう!!!
***********
ありがとうございました。
中村さんの会社は、自社の運営だけでなく、地域の課題解決にも熱心に取り組まれています。
農業という仕事とSDGsの関係性を考えたとき、「地球規模で目指しているゴールに私たちも関わっている」というのはモチベーションに繋がりますね。
皆さんも是非、SDGsをモチベーションに繋げていきましょう!
事務局も可能な限りサポートしていきます。
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