SDGsへの
取り組み

沖縄県石垣島で肉用牛の繁殖経営をやっています、眞榮城美保子です。今日は私のたちあげた「八重山牛ガール」を紹介します！

○私のこと

大阪で産まれ、大阪で育った生粋のナニワっ娘。小さい頃から動物が好きで、夢は女ムツゴロウ。 　夢を叶えるため、生物系の大学に入学し、必修科目の牧場実習に行くことに。 　行き先は「夏といえば沖縄やろ！！」となんとなくで決めた沖縄の、離島のさらに離島である、黒島という牛が3000頭、人は200人の島！ そこで…

運命の出会いその①

たった一週間の実習だったけれど、直腸検査(牛のお尻に手を突っ込むアレ)や、子牛の去勢を体験したり、セリに出す牛を洗ったり、放牧地に捨てていかれたり(!?)、セリ市場で売られそうになったり(笑)。その中身の濃さと言ったらもう！ 牛飼いの奥深さに出会い、その経験を通して「私は牛飼いになる！」と心に決めました。 そして、黒島のお隣の石垣島に移住し、肥育繁殖一貫経営の牧場に勤めました。牛飼いになるための修行をしている間に、たまたま遊びに行っていた黒島の道でイケメンとすれ違いました。それが運命の出逢いその②。

たまたま仕事で黒島に来ていた、石垣島産まれ石垣島育ちの牛飼いの長男（ラッキー♪)と出会い、あれよあれよと結婚、そして出産。現在は２児の母となり、ついに夢を叶えて牛飼いになることができました。

○牛ガール結成のきっかけ

私が牛飼いになった当時は、月一回の子牛のセリ市で、市場に女性の姿はみかけるものの、若い女性はほとんど見当たらず、いつも寂しい思いをしていました。 講習会や、勉強会、そのあとの懇親会も、声がかかるのは夫ばかり…。子育て中ではありますが、私も牛の話がしたい！外に出てみたい！！とストレスが募る一方。１日牛としか喋ってないよ（泣）という毎日でした。「いつか若い女性だけのグループを作りたいです！」と知り合いに話したのを覚えています。

そんなことをいつも言っていたら、ある日かかりつけの獣医さんに、「美保子さんみたいに牛飼いをしている女の子がいるよー。しかも１人で！」と教えてもらい、「え！？マジっすか！？しょしょしょ！紹介して下さい！！！！」と食い気味に連絡を取りました。他にも紹介があったり、私がセリ市場でナンパ！したりして、人数が集まり、一度夢だった懇親会をやってみよう！と、2014年12月に初めての会合を開きました。

初めての懇親会2014/12

それから４年が経ち、どんどん輪が広がって、今では23人の大所帯に。

メンバーは、牛飼い(後継者、配偶者、従業員)、授精師、獣医、畜産の行政職員などです。あ、１人ボーイがいます(笑)

お世話になった普及員の送別会　2018/3

みんなで集まっての会話といえば、若い女性が、こじゃれたレストランで、恋バナ…ではなく、「下痢が～」とか「発情が～」とか「種付けが～」とか…。「ちょっと人には聞かせられないねー」なんて爆笑したりするのも楽しくて楽しくて。

○活動内容

最初は飲み会から始まった牛ガールですが、そのうちに「こんなことしたいね、あんなことしたいね」という話が沢山出てきました。タイミング良く、普及員から中央畜産会の畜産女子力発揮事業を教えていただきました。自分達のやりたいことに合致していたので、この事業に応募することにしました。

この事業を活用し、先進地視察、簿記勉強会、飼養管理の講習会、種雄牛・交配の勉強会、防疫衛生の講習会、ロープワークの講習会、子牛の防寒ベストの作成、ユニフォームとしてのTシャツやパーカーの作成、子牛管理のマニュアルの作成、女性部との交流、子牛の保定の講習会…など思いつく限り、ありとあらゆることを行いました。

また子育て世代の女性が多かったので、視察や勉強会にも子どもを同伴すると、手の空いているメンバーが子守をしてくれたり、子どもの病気などで参加できなかったり、と本当に色々ありました。皆さん、理解ある家族の後押しのもと頑張って参加してくれました。

女子力事業での交流会＠鹿児島 農業女子PJ参加のきっかけとなった上別府美由紀さんを交えて2017/12

黒島視察　2016/3

沖縄本島視察　2016/3

種雄牛見学＠沖縄本島畜産研究センター　2016/3

簿記講座　2016/12

ロープワーク講習会　女性部より講師をお招きして　2016/11

子牛の防寒ベストの製作　2016/11

ユニフォームのTシャツづくり　2017/10

牛の保定のWS　2017/7

○これからの展望

これからの活動は、少しゆっくりペースに戻そうと考えています。飲み会などの集まりは継続させつつ（だって楽しみもなくっちゃ！）、本来の経営の見直しをして、必要に応じた勉強会、講習会を企画して、地域の女性組織との協力体制を作っていきたいと思っています。若いパワーとベテランの知恵と経験を融合させたら、最強の産地が産まれるはず。

私個人の夢としては、牛ガールの活動や行動に憧れた、またさらなる新・牛ガールを誕生させたいと思っています。そもそも自分自身が実習をきっかけに牛業界に参入できたことから、その恩返しをしていきたいのです。そのために実習生や研修生を積極的に受け入れたいと思っています。

また、もうひとつの夢としては、全国の牛飼い女性が世代や地域を超えて、集い、癒やされるイベントを立ち上げたいと思っています。これからの活動に乞うご期待！！！！