2018.10.24
【私、農業女子PJに入りました。第53回】

by農業女子プロジェクト事務局

今回は、大分県由布市の竹林千尋(たけばやし ちひろ)さんをご紹介します。
千尋さんは、夫婦で有機農家での研修を経て、平成26年に新規就農し、現在、「小松台農園」として多品目の野菜生産をしています。
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自己紹介をお願いします。
小松台農園の竹林千尋です。平成26年に結婚と同時に農業の世界に入ってきましたが、夫も非農家出身の新規就農者です。今では1.2ヘクタールの圃場で有機JASを取得し、多品目の露地野菜を流通業者さんや小売店さんに販売をしています。
どんな作物を栽培されていますか?
春のスナックエンドウ、大根、スイートコーンに始まり、夏にはモロヘイヤ、オクラ、かぼちゃ、秋・冬には小松菜、小カブ、大根、キャベツ、人参、サツマイモなど年間20品目ほどの野菜を作っています。
この土地に適した作物を最適な時期に作る「適地適作・旬の野菜づくり」が小松台農園の基本的な考え方です。野菜にも人にも無理のない野菜づくりを心がけています。
小松台はどんな地域ですか?
温泉地として有名な湯布院のお隣、庄内町というところにあります。庄内は田んぼの広がる農村ですが、ここ小松台はちょっと雰囲気が違います。
庄内の平野から山の中に入ると、標高400mほどの山間地に梨園が広がっています。ここが小松台です。戦後に里山から梨団地へと開拓された新しい農地で、梨以外の作物を作っている農家は私達以外にはいません。
小松台集落の住民も10軒しか残っておらず、もちろん私達家族が最年少です。
自らの手で自らの土地を切り拓いてきた開拓精神の名残なのか、自分のことは自分でやる・人のことにあまり干渉しないというこの土地の人々の気質に惹かれ、この地での就農を選びました。
農業女子PJに入ったきっかけは?
「仕事やめて農業をやりたい」と言い出した夫との、結婚と同時に二人して脱サラという衝撃の幕開けとなった結婚生活。一年間の農家研修、就農先の土地探しが始まった矢先の第一子妊娠、就農、第二子妊娠、小松台の古民家の改修・引っ越し・・・と、私の新婚期間は怒涛のように過ぎ去ってしまいました。気付けば、ヤギとニワトリがのどかに歩き回る癒やしの庭だけが自慢のこんな寂しい山の中で、ちょっと変わり者農家の妻という自分の姿・・・
二人で立ち上げたはずの私達の農園ですが、出産・育児に追われ夫に任せっきりになっていました。これはマズイ!!
2番目の子供が保育園生活に慣れてきたので私も畑の仕事へとシフトしつつありますが、農園立ち上げからこの4年間のブランクはあまりに大きく感じています。農家研修で身につけた技術をこの土地に合った自分なりのやり方に微調整してきた夫に、畑では後ろから着いていく立場になっていました。
過疎化・高齢化の進む梨団地の小松台では、家庭のことも野菜のことも気軽に相談できる相手は、正直言って見つかりません。
「ここは私から外へ(家の外へ、そして地域の外へ)飛び出して仲間を作るしかない!」
そんなことを思っている時に知ったのがこの農業女子PJでした。
全国の農業に携わる女性達の活躍に触れることができる。いまの私にとって勇気のもらえる場になるのでは。そう思って参加を決めました。
今後の抱負をお願いします。
まずは小松台農園の経営を軌道に乗せていくことが第一です。
喜んで食べて下さっているお客様との距離が近くなるようなお取引ができるよう営業を行っていますが、徐々に地元のお取引先も増えており、理想の商売の形に近づいている手応えがあります。
野菜を介して農業や畑のこと、食卓のことをお互いやりとりできるような流通を作り上げていきたいです。
しっかりとした経営が成り立てば、もっと農業に魅力を感じる方が増えていくかもしれません。
何も無いところから始まった私たちですので、そんな方たちへアドバイスできることも多いはずです。雇用や利益といった形で地域に還元することはもちろん、この小松台へ新しい人材が集まってくるための中心組織として成長していきたいと思っています。
畑の様子や日々の暮らしの様子をFacebookとインスタグラムで発信しています。よかったらこちらもぜひご覧ください。
Facebook:小松台農園 https://www.facebook.com/komatsudaifarm/
インスタグラム:komatsudaifarm
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竹林千尋さんありがとうございました。
新規就農から、子育てをしつつ夫婦で着実に夢に向かって頑張っていらっしゃいますね。今後は、農業女子プロジェクトを通じた仲間づくりができるとよいですね。インスタグラムも日々の臨場感ある写真がいっぱいです。そちらも皆さんぜひご覧ください。