群馬県で農業委員としてご活躍されている山口あきらさんから、農業委員の1年のお仕事を農業女子PJのInstagramで発信していただきました。(令和6年度Instagram掲載)
農業女子メンバーをはじめとする女性農業者が、地域のリーダーとして地域の方針決定の過程に積極的に参画していただけるよう、よりリアルに、より身近に感じていただける内容をお届けしました。
Instagramでの投稿内容をこちらでもご紹介しますので、ぜひ、皆さんが地域で農業委員として活動する際のきっかけや参考になれば幸いです。
【part1】
はじめまして!
農業女子プロジェクトメンバーの山口あきらと申します。
2015年に結婚を機に、群馬県藤岡市に移住、新規就農しました。夫と共に米麦大豆を有機栽培し直売する農園 上州百姓 米達磨‐こめだるま‐を営んでいます。
2020年7月に藤岡市農業委員会の委員に就任、2期目の2023年7月から藤岡市農業委員会会長職務代理に就任し、農業委員会活動に取り組んでいます。
私たちが耕作する農地は、農地法という法律で守られています。農地を貸したり売ったり、農地以外の目的で使う場合は、事前に農業委員会の許可が必要になります。藤岡市農業委員会では、毎月1回定例会が行われ、農地法に基づいてこれらの農地の売買・賃借、農地転用の許可について審議を行っています。このほかにも、地域内の農地のパトロールを行い、地域の農業者の方々とコミュニケーションをとりながら、耕作がされていない農地の早期発見・新たな耕作者への斡旋に努めています。
これから、定期的に農業委員会活動について情報発信してまいります!
全国各地には、多くの女性農業委員さんがすでに活躍されています。地域でどのような活動をしているのか、大変興味があります!ぜひ、皆さんの地域の農業委員会活動についても、いろいろと情報共有いただけると嬉しいです♫
【part2】
農業女子プロジェクトメンバーの山口あきらと申します。
2020年7月に群馬県藤岡市農業委員会の委員に就任、2期目は2023年7月から藤岡市農業委員会会長職務代理に就任し、農業委員会活動に取り組んでいます。
第2回目の今回は、女性農業委員のネットワークについてお話しします。皆さんの地域では、女性農業委員さんは何人いらっしゃいますか?
藤岡市では14名中3名が女性農業委員で全体の21%を女性が占めていることになります。2024年6月に農林水産省が発表した資料(※)によりますと、全農業委員 23,029 人中、女性農業委員数は 3,216 人で、女性の割合は 14.0%となっており、前年度年と比べると1.4%増加しているそうです。全国で農業委員に占める女性の割合が一番高いのが栃木県で22.6%、次いで宮城県で20.4%となっています。一方、女性委員が登用されていない農業委員会数は188あり、その数は減少してはいますが、成果目標の0には到達していません。 ※2023年10月1日時点の数字
もし、女性農業委員の少ない地域で農業委員に就任したら・・・。
もし、地域で初めての農業委員会会長や会長職務代理に就任したら・・・。
きっと、ほかの地域の女性農業委員がどのような活動をしているのか知りたくなるのではないでしょうか?実を言いますと、私がそうでした。不安に思う私の気持ちを支えてくれたのが、様々な女性農業委員関係の研修会やネットワーク活動です。主に3つの場があります。
◆ 全国の女性農業委員が集い情報交換する「全国農業委員会女性協議会」
◆ 関東地域の女性農業委員と交流する「関東ブロック女性農業委員等の研修会」
◆ 群馬県内の女性農業委員とつながれる「ぐんまの農業委員会女性ネットワーク」
各種研修会では、全国各地の女性農業委員がどのような思いでどのような活動を行っているかなど、実例に基づいたお話を伺うことができます。また、女性の農業委員会会長や会長職務代理者を対象とした研修会もあり、先輩女性農業委員の皆さんの言葉に励まされ、自らの地域での役割を再確認する時間でもあります。研修会と言っても静かに話を聞くだけでなく、時に笑いあり、時にしんみり頷いたり。とにかくエネルギッシュで前向きな雰囲気が、私は大好きです。
心細かったり、不安に思ったりするときには、必ず相談できる場所があると知っているだけで、一人じゃないんだと気持ちは軽くなりますね。女性農業委員のネットワークやサポートシステムを存分に活用しながら、あなたらしい農業委員活動をしてみませんか?
全国農業委員会女性協議会の会合で、関東ブロックの会合で、皆さまとお目にかかり学びを共にできるのを楽しみにしています!
次回は、農業委員会の構成や定例会についてお届け予定です!
【part3】
農業女子プロジェクトメンバーの山口あきらと申します。
2020年7月に群馬県藤岡市農業委員会の委員に就任、2期目の2023年7月から藤岡市農業委員会会長職務代理に就任し、農業委員会活動に取り組んでいます。
第3回目の今回は、農業委員会がどのような組織なのかをお話をしたいと思います。農業委員会とは、「農地等の利用の最適化の推進」を中心に、農地法に基づく農地の売買・賃借の許可、農地転用案件への意見など、農地に関する事務を執行する行政委員会として、市町村に設置された委員会です。組織の構成としては、「農業委員」と「農地利用最適化推進委員(推進委員)」の2種類の委員がいます。藤岡市では、農業委員は14名、推進委員は18名です。
農業委員として私が従事している主な活動内容をご紹介します。毎月1度(藤岡市では毎月5日)開かれる定例会で、農地法に基づく売買・賃借の許可や農地転用の許可の審議を行っています。前回の投稿でもお話ししましたが、すべての農地は農地法という法律で守られているので、農地を貸したり売ったり、農地以外の目的で使う場合は、事前に農業委員会の許可が必要になります。
藤岡市では、毎年200件を超える許可審議を行っておりますが、最近は昔から駐車場等で使っていた土地が実は転用許可の取られていない農地だったため、今からでも許可を取りたいというような申請も増えています。特に、農地を相続した際に申請が出てくる場合が多いようですので、この機会に、ぜひ皆様の農地についてご確認いただき、気になることがありましたら、地元の農業委員や農業委員会事務局にご相談くださいね。
最近はITの波が農業委員会にもやってきて、それぞれに配られているタブレットに毎月決まった時期に審議する議案書が送られてきます。定例会では全体会議と2班に分かれての下審議を行っています。それぞれの案件を班ごとに話し合い、その結果を全体会議で班長さんが報告します。紙媒体も見やすくてよかったのですが、現在はタブレットを片手に農地パトロールや現地調査に向かっています。
農地利用最適化推進委員は、それぞれが受け持つ担当地区で現場活動を行います。具体的には、農地を貸したい人と借りたい人のマッチングのお手伝いや、農地を実際に回って耕作状況を調査する荒廃農地調査などを行っています。藤岡市農業委員会では、この荒廃農地調査の結果を基に、使われていない農地の貸し出しを勧めたり、山林化してしまっている農地など、農地として使えない土地を判断する非農地判断という事務なども行っています。
今回は、農業委員と農地最適化推進委員の活動内容についてお届けいたしました!皆さんの周りにも、農業委員さんや推進委員さんがいらっしゃると思うので、ぜひいろいろと相談してみてくださいね。
次回は、毎年行う農地利用状況調査についてお届け予定です!
part4
農業女子プロジェクトメンバーの山口あきらと申します。
2020年7月に群馬県藤岡市農業委員会の委員に就任、2期目の2023年7月から藤岡市農業委員会会長職務代理に就任し、農業委員会活動に取り組んでいます。
最終投稿である第4回目の今回は、「まさか、私が農業委員?と思っている方へのメッセージ」をお届けいたします!
皆さんにとって、「農業委員会」や「農業委員」はどのような存在でしょうか?農地を貸し借りする場合や、地域農業の相談などに乗ってくれる心強い存在、それとも遠い存在の人でしょうか?
10年前に移住して新規就農した私にとって、「農業委員」は、地域で代々農業を営む大先輩方というイメージ。農業界のあこがれでもあり、遠い存在でした。まさか私が農業委員になるなんて、私みたいに経験が浅くて、地域のことを知らない移住者が農業委員になっていいのか?と、悩んだこともありました。その時に、周りの方々からかけて頂いた言葉に背中を押していただきました。
「女性、新規就農者、移住して農業界に飛び込んでくれた。少数派ではあるが、とても大切なその声を農業委員会に届けて欲しい。」
その言葉で、私の心は決まりました。等身大の自分で農業委員会活動に取り組もう。2期目の現在、会長職務代理も務めさせていただきつつ、農業委員としてまだまだ勉強中であり、不慣れなことが多い中、他の農業委員や推進委員、藤岡市農業委員会事務局の皆さんに支えて頂きながら活動に取り組ませていただいています。
農業委員会活動を通じて、地域の農業をより包括的に考えるようになりました。これまでつながりがなかった方々にも顔と名前を憶えて頂く機会が増え、地域内外の行事や会議の場で声をかけてもらえるようになりました。気軽に話ができるようになり、貴重な情報交換の場となっています。そのことで、それぞれの地域が直面している様々な課題を見聞きする機会が増えました。地域農業のために何ができるのか?と、自らの営農活動の枠を超えて地域全体の取組を考えるようになりました。
「何も知らないから」と不安になる気持ち。でも、それ以上に、「知らないからこそ、地域農業のためにできることがある」と実感しています。
女性農業者の皆さん!
リアルな声を、ぜひ農業委員として各地域の農業委員会へ届けてください。その声が、地域農業の持続的な発展と地域づくりに寄与し、さらには、日本農業の発展と国土保全へ。女性農業者の皆さんの新たな一歩が、より良い未来を次の世代へとつないでいくことになると信じています。