8月4日(月)、山形大学農学部アグリサイエンスコースの「食料生命環境学実験実習」において、農業女子プロジェクトチーム「はぐくみ」の取り組みの一環として、講演会およびワークショップを開催しました。

山形大学農学部は、2019年より農林水産省が推進する農業女子プロジェクトのチーム「はぐくみ」にパートナー校として参加しており、本取り組みは、農業の魅力を学生に伝えるとともに、農業を志す学生の発掘や意識の向上を目的として実施しています。

講演では、農林水産省経営局就農・女性課 女性活躍推進室の伊藤博行課長補佐が、「農業を担う人材の育成・確保に向けて」と題し、基幹的農業従事者が過去20年間で半減している現状と、今後さらなる減少が確実視されている状況について説明しました。そのうえで、新規就農の促進が不可欠であることを強調し、農業の魅力を発信するための取り組みや支援体制について紹介しました。学生からは、農林水産省が推進する「農業女子プロジェクト」のような取り組みが、多様な農業経営体を育成し、地域に人を呼び込むうえで今後も重要な役割を果たすことを学びました。

続いて、つなぐループ代表・共創プロデューサーの松山浩隆氏が登壇し、「温泉×○○を組み合わせた温泉道場の取り組み」と題して講演を行いました。文化発信を目的に、温泉をテーマとして企画された多様なコンテンツや、これまでの取り組み事例について紹介いただきました。学生からは、温浴・宿泊の枠を超えてアパレルや飲食、野球球団の運営、行政との連携などにも事業を展開している点について、固定概念にとらわれない柔軟な発想こそが地域活性化の原動力になり得ると、改めて認識させられたとの感想がありました。

講演後には、「農業×○○ 農業の楽しさを伝えるためには」をテーマとしたワークショップが開催され、講師の伊藤氏や松山氏をはじめ、やまがた農業女子ネットワーク「あぐっと」のメンバー4名や農林水産省本省および東北農政局の職員も参加し、学生たちとの活発な意見交換が行われました。学生からは、「農業×SNS」によって、農作物ができるまでの過程を発信することで、その魅力やストーリーを伝えることができるという意見や、「農業×教育」という視点から、幼少期からの教育によって農業に対する固定概念を変えることができるといった意見も出されました。また、社会人も議論に参加したことで、学生にとって多くの学びを得る機会となったとの声がありました。