農業女子PJ SDGsへの
取り組み

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2018.09.12

【私、農業女子PJに入りました。第47回】

by農業女子プロジェクト事務局

こんにちは。

群馬県藤岡市で米麦大豆を有機栽培している農園 上州百姓「米達磨-こめだるま-」の農園女将 山口あきらです。もともとは、海外の土木業界で仕事をしていましたが、「とにかく米が作りたい」と、Iターン、非農家出身で新規就農したちょっと風変わりな職人気質の夫との出会いを経て、2015年に農を生業とする日々に飛び込みました。

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(農園女将の正装です)

▷農園「上州百姓 米達磨―こめだるまー」について教えてください。

私たちは、食の基礎となる米・麦・大豆の有機栽培はもちろんのこと、農業・加工体験などを通じて「和の暮らし」に共感する人々との交流を深めることや、年齢や国籍を超えて共に豊かな人生を育む【田文化交流】の拠点として、農園上州百姓「米達磨」を経営しています。

お米6種(わぴかり、ササニシキ、こしひかり、紅白もち米、リゾット米、香り米プリンセスサリー)、大豆4種(黒大豆「藤黒」、赤大豆、青大豆「さといらず」、黄大豆)、大麦・小麦、小豆、テスト栽培で酒米を栽培しています。

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私は、有機栽培の現場をサポートしながら、農園のブランディング(商品やレシピ開発、パッケージデザインなど含む)、有機農産物直売や経理・営業など幅広い業務を行っています。その他にも、子どもたちの五感と「好奇心の芽」をはぐくむ体験の企画立案・実施など、農を学びの場として提供する活動も担当しています。

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<【田文化交流会】有機大豆を使ったお味噌仕込み会。農を通じて、自然と学びや交流が深まります。>

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<藤岡麦府 麦府御膳:地域飲食店とまちおこし活動。月に一度、各店舗から持ち寄るお料理で特別弁当を提供しています。>

▷農業を目指したきっかけは?

人生は本当に不思議です。

つい数年前までは、土木技術者として国内外の様々な土地に移り住み、まさに根無し草、渡り鳥的な生活を送っていました。鞄にはいつもパスポートが入っていて、仕事が入ればスーツケース一つでどこにでも飛んで行く人生。カナダやアジア諸国で過ごす日々は刺激的で、「スーツケースに入らないものは、私の人生にはいらない。私の人生は、スーツケース1つで十分。」と、かなり本気で思っていました。

カナダでは州政府のエンジニアとして河川事業に従事していました。その時に出会ったカナダ先住民のリーダーの言葉を、幾度となく想い返すことになり、人生が動いていきます。

「我々はね、孫の孫の代(4世代を超えて100年余)のことを考えながら、今という時を大切に生きないといけないね。」

【100年後考え今を生きる】壮大な詞-ことば-を胸に、私は自分のルーツから「どんな世界を100年後の子どもたちに受け継いでほしいだろうか?」と、考え始めました。

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<根無し草な生活を送っていた時の日常の風景>

日本人としての私のアイデンティティー。日本文化や和の食、特にお米、麦、大豆を基礎とした醗酵食品や、四季折々のお祝い・行事が、私の心のよりどころとして存在していることに気が付きました。「農や食を通じ、当たり前で日頃あまり気に留めないことを、しっかりと次の世代につないでゆきたい。」

この思いから、私の米づくりがスタートしました。

▷これからやりたいことは?

農業は、農作物を育てるだけではなく、農がもたらす新しい価値を創造し続けること、地域社会がより豊かにより幸せになる取り組みを田んぼ・畑から発信すること、そして何よりも、未来を担う子どもたちと共に好奇心を刺激し成長し合う「学びの場」を提供することが求められていると思います。

大自然の恩恵を受ける日々。一粒の種もみの実りを大切に、この地に根を張り始めた私の人生は、もうスーツケースに入りきりません。次の世代へ、そして更に次の次の世代へ、しっかりと文化継承をしてゆく中で、和の食の基礎となる米・麦・大豆を丁寧に有機栽培し、地域の人と「農」が深くかかわりつながってゆく場を提供するなど、農業女子プロジェクトや様々な農&地域活動を通じて、【100年後を考えて今を生きる】ことの大切さを発信し続けます!

100年後の子どもたちのために。かけがえのない実りを、大切につないでゆけるように。みなさんは、どんな「農」の世界を、子どもたちに残してゆきたいですか?

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◎ 上州百姓「米達磨」FB:https://www.facebook.com/komedaruma.farm/

◎ 農園女将ブログ:https://ameblo.jp/komedaruma-farm/

【地域活動】

◎ 藤岡麦府FB:https://www.facebook.com/fujiokabakufu/

*** 【田文化交流】とは、上州百姓「米達磨-こめだるま-」が大切にしている活動で、多文化・異文化交流を田んぼや田んぼを通じた場面で行う事。例えば、有機栽培の農作業や日本の昔ながらの知恵・技術を学び合う場を通じて、年齢や国籍に関係なく、「和の暮らし」を受け継いでいく事を目的としています。

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素材が持つ風味、色味を存分に楽しめる大豆に、ただいま絶賛はまり中です。^^

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山口さん、ありがとうございました!

華麗なる転身ですね。スーツケースひとつで生きていける生活から、スーツケースに入りきらない多くのものを自らの手ではぐくみ、次の世代につなぐ。ステキです!

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