農業女子PJ SDGsへの
取り組み

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2019.09.11

【私、農業女子PJに入りました。 第97回】

by農業女子プロジェクト事務局

今回は和歌山県古座川町の苅部美乃里(かりべみのり)さんをご紹介します!

バリバリ働く都会生活から、自然に囲まれた田舎での農業生活に180度転身。人が自然の一員として存在する未来を描くため、今の時代だからこそできる農業の可能性に挑戦されています。
生で食べられるオーガニックの薔薇や古座川町伝統の香り米にも注目です!

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――自己紹介をどうぞ!

はじめまして!苅部美乃里(かりべみのり)と申します。
和歌山県の南端にほど近い古座川町という町で、(株)あがらとの一員として、農薬や化学肥料・動物性肥料を使わず、食用薔薇やお米・野菜などを育てています。(株)あがらとでは『すべての命とみらいを拓く』というビジョンの下、農業に止まらない広い視野で日夜活動しています。

横浜生まれ、横浜育ち。バイオテクノロジーを専攻して修士課程を修了後、大手広告代理店でバリバリ働いておりました。自分は都会人だと信じてやまなかったはずが、ひょんなことから出会ってしまった古座川町という町に惚れ込み、移住を決意しました。
移住はしたいけれど移住して何がしたいのか分からずにいた時に(株)あがらとと出会い、自身に農薬や化学物質過敏があることもあり、農薬・化学肥料・動物性肥料を使わない栽培方針や、自然や他の生き物・未来のことまでを考え抜いて歩んでいる姿に感銘を受け、農業を始めることに決めました。
昨年春に移住し、生活は180度変わりましたが、心配していた巨大なクモや虫たちにも慣れ、美しい清流と山々に囲まれた清々しい日々を満喫中です!

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――自慢の農産物を教えてください!

Dew Roseと名付けた食用薔薇です。植物性自然栽培で育てています。
ジャムやシロップに加工して販売していますが、その真骨頂はなんと言っても生!
苦みがほとんどなく、薔薇は“甘い”ということをしっかりと感じさせてくれる一品です。
畑一杯に漂う薔薇の香りを思う存分味わえるのは、栽培者の特権ですね。

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もう一つ、「香り米」も忘れてはいけません。
古座川町で古くから作られていた伝統米でありながら、今は私たちが栽培しているものしか流通していない、希少なお米です。普段のお米に混ぜて炊くことで、炊きたてのような芳ばしい香りが引き立つお米なのですが、とにかく美味しい!!香り米を入れると、白ご飯とお塩少々で大盛り二膳をぺろりと平らげてしまいます。

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――農業をしていて楽しいこと、厳しいことは?

農薬や化学肥料を一切使っていない畑なので、生態系が実に多様です。
色々な植物や動物・虫たちと出会うことができ、観察していると時間を忘れます。
興味を持っては調べてを繰り返し、だんだん生き物の知識が増えてきたのも嬉しいですね。
爬虫類・両生類好きなので、特にカエルや蛇に出会うとテンションが上がります!!

厳しいのは、何より夏の日差しでしょうか。就農当初は、真夏の太陽を浴びるとものの5分で激しい頭痛に見舞われ苦労しました。帽子の中に濡れた手ぬぐいを忍ばせてサングラスをすると大丈夫なことがわかり、今は大分楽になりました。(かなり怪しい恰好ではありますが。笑)

――これからの目標を教えてください

人が自然の一員として在る未来を描き、実現していくことです。
これは、縄文返りする、という意味ではありません。これだけテクノロジーが進んだ今だからこそできる、自然の一員としての人の在り方があると思います。それを見出し実現していくことが、100年先、200年先にも地球が笑顔の溢れる星であるために、重要なことだと考えています。

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――これから農業女子PJで取り組みたいことは何ですか?

一般社団法人日本オーガニックフラワー協会の中島様よりご紹介をいただき農業女子PJに参加しました。
農業は、人の根幹を担う産業だと思っています。子供たちと農や自然を結ぶ活動には、積極的に参加していきたいです。
人を育むだけでなく、人を育んでくれる自然との関係を築いていくのも、農業をはじめとした一次産業の重要な役割です。そんな視点で取り組めるプロジェクトには、ぜひ参加していきたいと思います。

――最後にひとこと!

古座川町に移住し、農業を通して自然の事物と触れ合うことで得られたのは、『生きている』という実感でした。
都会での日々は新しいものに溢れ、それはそれでとても楽しく過ごしていたのですが、今振り返ると偶像を見ているような、バーチャルの世界に生きていたような、そんな不思議な感覚を覚えます。
これからの時代、都会に生きることと同じくらい、もしかしたらそれ以上に、田舎で生きるという選択肢が当たり前になっていくでしょう。
そんな時代に農業の可能性を拡げ、未来を担っていけるように、これからも農に携わる一人として励んで参れればと思います。

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苅部さん、ありがとうございました!
今後のご活躍を応援しています!

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