2020.10.07
【私、農業女子PJに入りました。第136回】
by農業女子プロジェクト事務局
今回は長野県メンバーの津金貴子さんをご紹介します!
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――――― 自己紹介をお願いします。
こんにちは、つがね農園の津金貴子です。
長野県中野市豊田地区で両親と私、弟の家族4人で果樹栽培をしています。
りんごは3代前から、ぶどうは30年前から栽培しています。
20年前に農園のホームページを作り、以来インターネットで販売しています。
私は主に生産・営業・販売を担当しています。
私の強みは「ガッツ」と「ひたむきさ」
できないことも、「できるかもしれない」とあきらめない粘り強さがあります。
加工品を2千抱えたままコロナ渦で直売所がお休みした春先は、
顔を真っ青にしながら新規販路を5か所広げました。
――――― 農業女子PJに、入ろうと思ったきっかけを教えてください。
民間企業・団体様が、農業者を応援してくださっていることを知り、興味を持ちました。
畑と家の往復で、箸を持ったまま眠ってしまうくらい毎日くたくた。
時代の空気感が掴めず、社会から取り残されているような感覚がありました。
農業女子PJでは、企業様と協同して新たな商品やサービスを生み出していけるチャンスがある。
そういったことにワクワクします。
――――― 農業を始めたきっかけを教えてください。
中学生くらいから、農業がしたいと思っていましたが
「農業で食べていくのは大変だ」と言われ一度就職。心残りがあり7年前に就農しました。
大変な苦労をして田畑を守ってきた母と弟に深く感謝しています。
また、「やりたい」と思う魅力的な農業を築いてくれたことにも深く感謝しています。
私がいま自由にのびのび農業に取り組めるのは、母含め、女性先輩農業者の皆様が
踏ん張っていばらの道を切り拓いてくださったおかげです。
20年前は直売所も加工施設もなかった。
若いひとたちが憧れる農業にしてくださった女性先輩農業者に心からの敬意を表します。
そしてまた、次世代へ繋げていきたいです。
――――― 農業をしていて楽しい・嬉しい・厳しいと感じたことはありますか?
7月のプラムに始まり、ネクタリン、ワッサー、桃、ぶどう、梨、洋梨、りんごと続きます。
それぞれに皆かわいくて、大事に大事に育てています。
ぶどうとりんごが2本柱。自然災害に備え、リスク分散しています。
ぶどうを始める際は並々ならぬ苦労がありました。
畑一枚、りんごからぶどうへ切り替え新しいことにチャレンジできるようになるまで、
8年に及ぶ祖母との葛藤とジレンマがあり、母は苦労しました。
ナガノパープル、シャインマスカット、ピオーネ、巨峰、翠峰、瀬戸ジャイアンツ、紅伊豆、伊豆錦、クイーンニーナ、涼玉、BKシードレス、ヒムロッドシードレスなど
ぶどうは20種前後栽培し、時期をずらし長期間収穫できるようにしています。
昔から個性派で、多品種栽培してきました。
この地、この気候に合う品種を手探りで研究しています。
家族全員、苗木のカタログをみるのが大好きです。
今度はなにを植えようか?
母は難しい品種を作りこなすのが快感で、私は美味しくできた時が快感。
果実もラブラスカ、マスカット、フォクシーと品種ごとに異なる香りがあり、
袋を開けた時から飛び込んでくるぶどうの華やかさに魅せられています。
ひと粒5gの小さな品種から、30g以上になる品種まで、わけ隔てなく愛情を注いでいます。
なかでも長野県果樹試験場作出のナガノパープルとクイーンルージュ®*は
本当に美味しくて、素晴らしいぶどうを作り出していただきました。
新品種を作るのは大変な道のりで、交配して選別を繰り返し、何年もかかります。
全国の皆様に喜んで召し上がっていただけるよう、
生産者として使命感をもって良いぶどうを栽培していきます。
*期待の新品種、クイーンルージュ®
皮ごと食べられて種がなく、糖度が高い。そしてきれいな赤。
いま苗木を仕立てているところです。
ぶどうの季節が終わると、いよいよりんご。
秋本番、畑のりんごも赤く色づいてきました。
特にサンふじは、花の時期から11月の終わりの収穫まで、
激しい雨や風・台風に耐え本当によく頑張ってくれて、収穫の頃は感動します。
今年も美味しいりんごを皆さまに喜んでいただけるようずっと祈っています。
――――― 農産物へのこだわりを教えてください。
「子供たちに美味しいもの、安心して食べられるものを」
を原点に、長年にわたり有機栽培に取り組み、長野県のエコファーマー認証を受けています。
化学肥料を使わず除草剤も使わない環境保全型農業をしています。
(北信-115号)
――――― これからの目標を教えてください。
灌水がなく、水に苦労しています。
干ばつ、日照りで木に負担をかけてしまうので、
一生懸命働いて、灌水の設備を整えたいと思います。
自分が夢中になれる仕事で、無心になって働き、
皆さまの健康、憩いのひとときにお役立ちできたらこんなに幸せなことはありません。
皆さまに美味しい農産物をお届けできるよう、心を尽して頑張ります。
――――― これから農業女子PJで取り組みたいことはありますか?
日本全国の個性豊かな農業女子の仲間とつながれることはとても刺激になります。
続々とプロジェクトの企画発信をいただき、参加申込を考えています。
無事に農産物をお手元にお届けできるのは、私たち生産者を支えてくださる方々のおかげです。
よりよく改善し、消費者の皆様にお喜びいただけるサービスの開発に携わっていきたいです。
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津金さんありがとうございました!
「時代の空気感を掴みたい。今以上に社会と繋がりたい。」という思いで
農業女子PJへの参加を決意したとのこと。
今後のPJ活動への積極的参加をお待ちしております!
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