農業女子PJ SDGsへの
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2021.07.13

「私、農業女子PJに入りました。第146回」

by農業女子プロジェクト事務局

今回御紹介するのは、山形県尾花沢市の阿部亜矢子さんです!
阿部さんは、ご自身のこれまでの経験を活かし、悩みを抱える女性農業者に助言をしていきたい、とのことです。
それでは阿部さん、お願いいたします。

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―――自己紹介をお願いします。
山形県尾花沢市の阿部亜矢子と申します。
スポーツ用品販売店に就職、退職を経て、専業農家の嫁に至ります。

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―――農業女子PJに入ろうと思ったきっかけを教えてください。
嫁いで20年目に入りました。
「農家の嫁」の経験を何かの形で生かせたらと思ってきました。
一番上の子の巣立ちをきっかけもありこの度参加させていただきました。

―――農業をはじめたきっかけを教えて下さい。
結婚後、すぐに長男を妊娠、誕生したため、
農作業ではなく、直売所や雑務をできる範囲から始めました。
こちらへ嫁いでなければ農業とは無縁だったかもしれません。

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―――農業をしていて楽しいこと、厳しいこと、学んだことなどは何ですか?
農業は私にとって未知の分野でした。
良くも悪くも農業というものに具体的固定観念がなく、「農家に嫁ぐ」ことを軽く考えていましたので周囲に心配されるほどでした。
「農家の嫁」になったことで、楽しかったことは、子供との共有時間が長いことです。
成長を間近で感じられます。また、仕事の面でやりようによっては大きな成果を得られることです。
厳しかったことは、まず朝は7時、昼は12時に食事を出さなくてはいけないことです。
「子供の授乳より、そちらを優先」と言われたときは悲しかったです。それで2か月の長女は朝6時の授乳後、次は夜6時でしかあげられませんでした。「何よりも農家の仕事優先」的な独自の思考がたくさんあり、嫁ぐまでの社会観念が通らないことに疑問と憤りがありました。
学んだことは、限界を超えた我慢は体を壊してからでは遅いので、限界が来る前に対処しなくてはいけないということです。

―――これからの目標を教えてください。
私のような「専業農家の嫁」の苦しみを軽減したい。
そのためにお役に立てたら幸いです。

これまで、私は、「郷に入っては郷に従え」との思い、農家に嫁いだ以上、この場所で自分ができること、役に立つことを精一杯やってきたつもりです。心に不満が起これば、「自分が至らないせいだ」と言い聞かせて過ごしてきました。
しかし、この20年に於いて、社会通念上「おかしい」と思う部分は数知れずありましたが、ほぼ口を開かずにきました。
「農業に従事」という観点よりも「農家の嫁」として、第一に感じた問題点は、専業農家は隔離・閉鎖された特殊空間であることです。
同居の場合、家長が一番偉いと「思っている」というような時代錯誤のことがまだまだ行われているということです。
私が思う「偉い人(という言い方は好きではありません)=すごい人」は「威圧的でなく、人に敬意を払える人、言葉の気遣いができる人」です。

第二の問題点は、仕事と家事、育児の境が全くなく、「ホッとする」時間が全くないことです。
それは、健康優良児として育ってきた私の心身に少なからぬ悪影響を及ぼしてきました。

そういう経験をしてきた私だからこそ、どんな形でできるかは全く不明ですが、同じ悩みを持つ「農家の嫁」の方々のお役に立てたらと思っています。

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阿部さん、ありがとうございました!!
阿部さんのように、女性の活躍に向けてはまだまだ固定的な意識が残っている部分もあると思います。
ご自身のご経験やお考えを発信いただくことで、同じ悩みを抱える方にも勇気を与えていただけると信じております。

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