2017.05.12
農業女子の知恵袋 第1回
by農業女子プロジェクト事務局
【農業女子の知恵袋 第1回】
日々農業と向き合う農業女子が、毎日の生活や仕事の中から編み出したアイデアや工夫などを紹介する「農業女子の知恵袋」。第一回目は、福岡県のメンバ-・星野純子さんにご紹介いただきます!
***
福岡県の星野純子です。福岡県中部に位置する広大な平野で、家族3名従業員7名で米キャベツほうれん草メインに、旬の野菜を作っています。九州が大好きな私ですが、実は島根県出雲市の出身。山陰の人柄と言えばおっとりゆっくり。福岡はその真逆だけど住めば都。10年過ぎた今では、この地域の百姓らしい豪快さ、良い具合の適当加減が大好きです。
今回は、昨年末に完成した農園特注の作業場のことなどを紹介します。
★広々が自慢の作業場
大工さんと細かく設計を相談してできた特注の作業場!中にはほとんど何も備えつけていません。というのも、農繁期はあっという間に収穫した野菜でぎゅうぎゅうになってしまうので、作業効率があがるよう、物を置かずに広く使えるよう工夫したのです。
作業場にスタッフの荷物置き場を作りました。以前は、出勤時間や作業する圃場が違ったり、圃場からそのまま帰ったりするので「今日はあの人に会っとらんばい」という声が聞かれましたが、今は作業や身支度をしながら、コミュニケーションが取れるようになりました。
この荷物置き場と作業スペースの間に、大正時代の旧星野邸の柱を使ったベンチを置いています。大きなテーブルを置くよりもこのベンチの方が、作業スペースを確保しやすく、座って身支度もできるし、荷物も置けるなど便利です。
このベンチは、年末の農園行事の餅つきでも活躍。
きなこをつけたり、お茶を置いたり・・・こだわりのベンチは即席テーブルに変身します。
★古道具活用術
蔵から出てきた古道具を、農園の備品として活用しています。
木の漬物樽はゴミ箱に!
掃除用具は大きな壺に整理整頓!
火鉢にはお花を飾って・・・。
訪れた人が、昔懐かしい空気を感じ、なんか来て良かった~とホッとしてくれるような空間が好きなのです。
★マスキングテープ活用術
リニューアルした作業場の農具置場にマスキングテープをペタリ!模様替えしてもすぐ剥せて傷が残りません!
スタッフが作業着を間違えない様、ハンガーに名前を書いてペタリ!
みんなの手袋をかけるハンガーも男女別にわかりやすくペタリ!
やっている事は小さな農園での日常の気付き。それが、これからもずっと農園が続く為の影の支えとなる!と信じています。
★みんなが気持ちよく過ごせる農園をめざして
以前は小さなプレハブ小屋で作業をしていました。作業場建設が始まり、プレハブ小屋をスタッフの休憩室に変身させるべく、私と夫でお金をかけずにリフォームしました!
半分土足、半分靴を脱いで上がる休憩室。
スタッフの農業知識がさらに広がるように農業雑誌も購読開始。
仕事を終えた正社員スタッフに、ここで“作業日誌”を記入してもらいます。
当初、「最低1行は書いてね」とスタッフに言いましたが、半年経った今でもびっしりと書いてくれます。
野菜のこと、作業工程のこと、天気や生育に悩んだり、新しい発見があったり・・・。皆さん、自然や野菜、農業のことが本当に好きなのだな~と思います。
農家に嫁いで仕事をする中で、昔ながらの農家の良さを残しつつ、もっと効率上がるよう環境整えたい!気持ちよく作業出来るようにしたい!とずっと考えていました。従業員を雇うようになり、私はもちろん野菜や自然、農業が好きな皆さんに気持ちよく過ごしてもらえるよう、要望をききつつ小さなことから改善していきました。今までもこれからもずっとその気持ちは変わりません。農園はまだまだ変わります!
?
******
星野さん、ありがとうございました!サラリーマン家庭で育った星野さん、お父様は農機具メーカーの設計士だったそうです。お父様が設計したトラクターのミニチュアを、ご実家をでてからもずっと大切にされ、最後に恋愛した相手がたまたま福岡の農家の人でお嫁に行き、人生の最終地点である星野家にそのミニチュアを飾っているそう。素敵な農業のご縁ですね。これからも星野さんらしい農業女子の「技」で、がんばって下さいね!
関連する記事
最新の記事
-
ピックアップ記事が入ります。
-
大日本印刷株式会社2024.11.12
-
東海農政局 2024.11.06
-
井関農機株式会社2024.10.29
-
井関農機株式会社2024.10.18