2019.04.19
【農業女子の知恵袋 第17回】
by農業女子プロジェクト事務局
【農業女子の知恵袋 第17回】
日々の農業と向き合う農業女子が、毎日の生活や仕事の中から編み出したアイデアや工夫などを紹介する「農業女子の知恵袋」。今回は、田舎体験を通じて子ども達に食や農業に関心を持ってもらいたい!という群馬県の鴫原廣子さんのお知恵をご紹介いただきます。
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群馬県前橋市“アグリの森”で田舎体験を行っている鴫原廣子です。
赤城山の雄大な自然に包まれた土地で育ち、就職のため東京へ。そして結婚し、埼玉県さいたま市に長年住んでいました。そこで出会ったのがファームインさぎやまの萩原知美さん。かあちゃん塾にも参加しました。
兄が前橋に残した土地を生かして田舎体験の活動ができないだろうかという思いがつのり、Uターンしました。
半日の田舎体験と年間を通じた栽培指導付き家庭菜園を始めたのは、東日本大震災の年、2011年3月でした。体験は、野菜の種蒔きや苗植え、野菜の収穫体験、お客様と一緒に作る昼食作りがセットになっています。
子ども達に、野菜の育ち方や地域の伝統の味を知ってもらい、食や農業に関心を持ってもらいたいという思いを込めています。
地元群馬の食材にこだわった体験メニューを紹介しましょう。
○郷土料理おきりこみ(煮込みうどん)
群馬県は小麦の生産量が多く、地元の品種「さとのそら」を使った「おきりこみ」を作ります。野菜は自家栽培の大根、人参、里芋、葱等を使います。
麺は、地粉をこね、足で踏み(私も子どもの頃足で踏んだ記憶があります)、麺棒で伸ばして、1~1.5センチ位に切る。だしは煮干しやかつお節を使用。だし汁に野菜を入れ、煮えたところに麺を入れ、手作り味噌と醤油で味付けします。おきりこみは、麺をゆでずにそのまま煮込む時短料理でもあります。次世代に「おきりこみ」を伝承出来たら嬉しいです。
○炭酸まんじゅうや肉まん作り
当初は地元でよく食べられている炭酸まんじゅうを作りましたが、現在は自宅裏に出る竹の子と、群馬で生産している美味しい上州麦豚の肉を入れ地粉で包む肉まんが人気です。苦戦しながら具を包み美味しい肉まんが完成します。
○ピザ窯で焼くピザ
地粉に砂糖、塩、イースト、オリーブオイル、牛乳等を計ってもらい、子ども達が粉にまみれながらも喜んでこねてくれます。麺棒で伸ばし、自家栽培のトマトやトウモロコシ、ズッキーニ、アスパラガス、なす等を自由にトッピング。ピザ窯は夫が手作りしたもので、3分程で焼き上がります。自分で作ったピザは格別ですよ。
○ベジフルアイシングクッキー作り
自家栽培の南瓜、ビーツ、紫芋、群馬県育成品種のいちご「やよいひめ」のドライパウダーを使ってアイシングを作り、地粉で焼いたクッキーを飾ります。着色料を使わずに野菜の粉末で安心・安全、しかもとてもカラフルなクッキーができあがります。
このほか、藍染め体験や手前味噌造りや蒟蒻作り体験も行っています。
藍の栽培を始め、桐生織のシルクストールを染めたところ、鮮やかなスカイブルーに染まりとても感激しました。この体験をお客様と共有したいと思い、生葉藍染め体験を始めました。手ぬぐい、タオル、エコバック等にビー玉で模様を付け染めます。まずは藍の葉の収穫からスタート。茎を除き、ミキサーに掛け、模様を付けた生地を浸けます。色の変化を体験して頂けます。
アグリの森での体験がきっかけで、子ども達や若い親御さん達が、地元の食材や郷土料理に関心をもってくれたらいいなと思っています。
アグリの森の体験だけでなく、近くの道の駅(赤城の恵)や温泉(あいのやまの湯)、産直(味菜)にもお客様に寄っていただけたら、地域の活性化につながると思います。
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鴫原さん、ありがとうございました。
次世代の子ども達に食や農業に関心を持ってもらいたいと体験メニューに様々な工夫をされているのですね。
アグリの森では、他にもトウモロコシオーナー制の植付け・収穫体験が大好評で、前橋市のふるさと納税の返礼品にもなっているのだそうです。
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