農業女子PJ SDGsへの
取り組み

MENU

2017.04.21

★ひろがれ!農業女子の輪 第1回★ ~北海道若手女性農業者集団Links(リンクス)~

by農業女子プロジェクト事務局

地域の農業女子グループの活動を紹介する「ひろがれ!農業女子の輪」。トップバッターを飾るのは、昨年度末に開催した農業女子PJアワードの「コミュニティ部門」最優秀賞を受賞した北海道のLinksです。
農業女子PJの発足前から活動を始めたLinks。北海道農業は大規模経営が多く、男性優位の慣習が根強く残っているといわれますが、それを打破すべく、女性の観点を活かしながら幅広い活動を行っています。
それでは代表の内山佳奈さんにお話を伺っていきましょう!

068

●まず、Linksを設立した想いや、背景を教えてください。
若手女性の地域を超えたネットワークが欲しかったこと、共に学び、高めあう仲間が欲しかったことがきっかけです。 北海道は、女性が何かを学んだり目立つ活動をすると地域で孤立しがちです。家族が許してくれなかったり、他の農家から「女が何しに来てるんだ」という目で見られたり・・・。でもそれでは自分の家の経営も、農業界の発展もただ遠いだけ。

そんな環境がいやで、自分達で学びたいことを学ぼう!とまず勉強会をスタートさせました。最初は交流して刺激をもらえるだけでも自分のモチベーションとなりました。地域では話せないことや夢の話。それらを共有できるメンバーが集まりました。

●地域から1歩踏み出してみる。大きな1歩だったんですね。立ち上げでの苦労はありましたか?
%e9%9b%86%e5%90%88%e5%86%99%e7%9c%9f

特に苦労はしていません。メンバーが周りに声をかけるなどして自然に仲間が集まりました。類は友を呼ぶ、という感じですね。
メンバーは20代~40代を中心に、全道各地で50名を超えています。各地域でリーダー的存在になる人も増えてきました。嫁、後継者、新規就農、従業員など様々な形態で、畑作・園芸・酪農・畜産など、生産物も多岐にわたります。
メディアで特集をされたり、FBや自作のHPで広報してからは参加の問い合わせも増えました。

行政などの力をかりず、全て自分達で運営しているので、時間やお金など制約もありますが、それよりも自主的に動くことで得られることの方が多いです。スピード感やしがらみのない自由なコラボなど、より活発な活動ができるのが魅力です。

●関東地方よりも広大な道内各地から多様なメンバーが集まっているんですね!具体的にはどんな活動をされていますか?

%e5%8b%89%e5%bc%b7%e4%bc%9a %e6%96%99%e7%90%86%e6%95%99%e5%ae%a4
「自分達の経営をよくしていく」ことが目的で、活動の柱は勉強会と交流会です。交流会で刺激をもらい、勉強会で経営力をつける。年に2回、冬の農閑期に行っており、毎回20名以上の参加があります。遠くに住んでいるメンバーは前泊してでも参加してくれます。

%e3%83%9e%e3%83%ab%e3%82%b7%e3%82%a7

実践の場としてはマルシェを行っています。売り上げも大切ですが、何よりマーケティングリサーチの場と考えています。自分達の商品がどの場所で、どの価格で、どのような客層に支持されるのか、また、商品価値はどこにあるのか、響くPOPやセールストークはなにか、などを学びます。

%e3%83%95%e3%82%a1%e3%82%a4%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%82%ba

また、企業とのコラボも行っています。北海道日本ハムファイターズとは、スポーツをするこども達へ、野菜を沢山取り入れた食生活を提案しています。

地域活性化や農業への正しい理解を深めること。女性農業者が、堂々と農業が仕事といえるよう、農業のイメージアップを図ること。私達の活動を発信することで、より多くの消費者、企業、そして周りの農業者に対して私達の取組みの意義を投げかけています。

●ただ集まるだけでなく、活動の目的意識がはっきりしていることが、メンバーからも支持される理由ですね。他の地域で活動するグループへアドバイスをください!

今、多くのグループが出来て、活動が広がっていることはとても良いことだと思います。
が、グループが出来た以上は、メンバー全員が、責任と自覚を持つことが大切。農業女子が流行だからとか、マルシェでちょっと小銭つくろうとか、行政が声をかけてくれたから・・・ではなく、なぜそのグループを設立し、どう活動したいのかを忘れないこと。
女性は家事や育児に時間をとられることが多く、限られた時間の中での自己実現は難しいですが、手段ではなく、活動の目的を見失わないようにしましょう!!

また、家族に伝えることも大切です。好きだからとか、やりたいからではなくて、その活動がどのように「家の経営に役立っているのか」が見えるようにすると、家族の理解も得やすくなるのではないでしょうか。

私達女性にできることは意外にたくさんあります。自分達の力で物事を動かし、利益を得ることが自信と実績につながります。自分自身に力をつけ、自立した一農業者として、胸を張って仕事や発言ができるよう、一緒にがんばりましょう!

●熱いメッセージありがとうございます!最後に今後の展望を教えてください。
メンバーとの交流・モチベーション向上!というだけの集まりにとどまらず、自分達の経営を良くしていくため、自分達で考え、学び、動いていくグループであり続けたい。
メンバーの多くが経営に携わる年齢や立場になってきているので、活動を自身の経営に役立て、実績を出しつづけられるような取り組みを、臨機応変にメンバーみんなで考えながら続けたいと思います。
また、今後は新規就農者のサポートや次世代の育成にも力を入れていきたいです。

●内山さん、ありがとうございました!我々も、みなさんの活動から得られることがとても多いです。今後益々のご活躍、楽しみにしています^^
(LinksのHP)http://kanaucchi0.wixsite.com/links

関連する記事

最新の記事

おすすめ記事RECOMMEND

アーカイブARCHIVE